新書「ポリティカル・セックスアピール―米大統領とハリウッド」

ポリティカル・セックスアピール―米大統領とハリウッド (新潮新書)

ポリティカル・セックスアピール―米大統領とハリウッド (新潮新書)

この本はハリウッドとワシントンの関係の深さを語っている。例えば、ニクソン政権期にキッシンジャーはあまりにやり手であったために仲間内から疎まれ、補佐官を辞職させられそうになる。そこでキッシンジャーは彼の友人であるロバート・エヴァンス(あの「ゴッドファーザー」の製作者の一人みたい。元俳優)に助けを依頼した。氏のマスコミ工作により、キッシンジャーは他の政敵(仲間)と違いただ一人、次のフォード政権で国務長官として残ることが出来たらしい。つまり、戦後アメリカを代表する政治家キッシンジャーはハリウッドの有力者の力で「政治生命」を長らえさせることが出来たというのだ。
そういう様な政治家とハリウッドの近さ(ハリウッドスターと政治の近さでもある)はマスメディアでも取り上げられている。
先の事例の因果はさておき、日本と比べると有名人*1と政治との関わりは合衆国の方が強いというイメージがあるが、実際はどうなのだろうか。
千葉、大阪、宮崎でタレント知事が生まれたことや扇千景西川きよしらタレント出身議員の活躍を考えるとタレント→政治家という経路はある。合衆国では大統領選とかに共和党民主党の選挙キャンペーンに有名人が登場したり、党への支持を明らかにしている人がいる。他方で日本の有名人で政党支持が周知されているのは、某宗教団体が有力支持団体のK党支持の団体員の方だけな気がする。候補者支持はあるが政党を応援している人は寡聞にして知らない。
要するに、政党と有名人の関係が(比例候補という例外はあるが)薄いのかなと(全く実証的でないものの)思った。

*1:ここでは、俳優・芸人とかのタレントを想定。