「現代の国際政治」という文庫本

現代の国際政治 (講談社学術文庫)

現代の国際政治 (講談社学術文庫)

有名な国際政治学者であった著者による第2次大戦後から80年代にかけての国際政治の本。
出版は1989年でもう20年も前である。でも、終わりつつあった冷戦時代を同時代の学者がどう考えいたかといった視点から読んでも興味深い。
ただ、小学校で習うような漢字を使わずにひらがなのままであったり、概念・用語の説明に字数をあまり割いていなかったりという点が残念。


以下雑考。
英国が少ししか取り上げられていない感があるが、かつての大英帝国の威信を考えると、国際政治のアクターとして、その存在の低下を思わせる。世界2位の経済大国とも言われた我が国も、その相対的な力の低下はこの先免れ得ないであろう。ソフトランディング(という言葉が適切かどうか分からないが)のために、あるいは他のあるべき姿を考えるために、英国という事例は参考になるかもと思った。何か良い本あれば読んでみたい。