新書『永田町「悪魔の辞典」』
- 作者: 伊藤惇夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/08/04
- メディア: 新書
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本は著者の諦観というか悲観が滲み出ていて、読んでいて気が沈む部分もあった。永田町歴30年の経験がもっと言及されていればもう少しおもしろかったかも。
・03年11月の総選挙での国の経費は、政党・候補者が使った費用を除いて、736億円だったらしい。本によると、この大部分が投票率アップのためのPR費として使われたそうだ。そんなに使って、投票率60パーセントないとは、よほど効率の悪い使い方なのか?よほど有権者が投票に行きたくないのか?
・本は参議院を「マイナーリーグ」とか「ハーフサイズの衆議院」と批判的に表現している。そして参議院の機能低下の原因を「政党化」に求めている。私も今の参議院には良い印象はない。衆議院との違いがよく分からないからだ。衆院と同じ政党が議会を構成し、議会運営も大して変わらない気がするのだ。選ばれ方こそ参議院議員は都道府県区+比例区で小選挙区+比例区の衆院議員と多少違い、どこを代表するのかという点では差がある。参院の比例には労組とか宗教団体とか利益団体の代表者が当選したりし、地域代表ではなく利益代表の性格があると思う。
だが、この代表性の違いから参議院の存在意義を見出すのは難しいように思う。むしろ、世代間格差が言われて久しいのだから思い切って選挙制度改革をし、世代別代表を選んではどうか*1?20代30代40代50代60代70代80代以上で有権者を分けて選挙するというのだ。いろいろ問題はあろうがこんな着想さえ浮かぶ私も今の参議院に不満足なことは確かだ。
*1:この案は昔某氏との会話中に着想と記憶