「地方議員の研究」という本

行政学政治学の有名な教科書*1の著者である二人が20年以上前に書いた本である。調査データを基にしながら地方議員と議会を描いている。

雑考
「学芸会」だなどと某元知事に言われている地方議会。確かに本会議の質問を職員が作ったりしていて、批判されるべきところはある。特に与党が過半数を占める場合には、めったなことがないと首長提出議案など否決や修正はされない印象*2がある。だからと言って、議会が首長(行政)に何も影響力を持っていないというのは間違いだと思う。「黙示の影響力」の話しが書いてあったが、議会は気に食わなければ首長提出案を否決しうるのだから、首長は議会が賛成できるような案だけを提出したり、議会の選好を採り入れて案を修正して提出する。だから、本会議や委員会で議員の活動だけを観察して影響力がないというのは間違いだと思った。

*1:村松行政学教科書」01年 伊藤「政治過程論」00年とか

*2:S53年の都道府県レベルで首長提出議案の96.5%が原案可決 P121