宮本太郎先生の解説記事

最近、総選挙関連の新聞記事をよく読む。その中で、安心社会実現会議のメンバーで、北大の教授にして、宮本顕治氏のご子息である、太郎氏の記事が目に付いた。

問われるもの:’09衆院選・選択を前に/3 北海道大教授・宮本太郎氏
 ◇「個」か「つながり」か−−宮本太郎氏(51)
 衆院選の争点は「政権交代」と言われるが、政権交代は争点なのか。手段ではないか。民主党が掲げる「脱官僚」は、官僚がある理念や政策目標を邪魔する事態が起きて初めて問題となるのだが、政策過程で官僚の力を弱めることが争点になるのは分かりにくい。

 要するに、民主党に新しい政治や生活のあり方を期待するというより、自民党におきゅうを据えたい感覚が先行している。小泉純一郎元首相が「内側からぶっ壊す」といった話を、今度は外側からやっているわけだ。だが、たまっているストレスを発散させるだけでいいのか。

 「子ども手当」や「農業者戸別所得補償」など、民主党には有権者が関心を持つトピックはあるが、政策的争点をつないで面として見た場合、どういう新しい社会とライフスタイルを提案しているのか、まだ見えない。だから「おきゅう据え選挙」がヒートアップしていく。

 だが単なるお仕置き選挙に終わらせると、よく分からない人が当選し、かえって政治は劣化する。
 
(略)
 09年7月30日 毎日新聞http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090730ddm002010041000c.html

ご指摘、つくづくごもっともであると感じた。「民主党だから」でなく、「今は自民党がダメだから」で民主党に入れる人が多いと思う。いろいろ具体的な政策をマニフェストとして出すのは、政策の評価判断がしやすいから、良いんですが、大雑把でも良いから、ここの政策の根本にある、この国をどうするんだ、あるいは、どうしたいんだという元気のいい信念も聞きたい。
郵政選挙では「よくわからない人」が多数当選したが、今回民主党は多数の女性刺客を出しているみたいで、メディアがそこに乗って、また「よくわからない」候補が当選するのだろうか?




福祉政治―日本の生活保障とデモクラシー (有斐閣Insight)

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前から気になっていた本だが、夏休みに読むことに決めました。