政権交代の地方政治への影響?

衆議院では定数の約4分の1になった自民党ですが、地方議会レベルでは依然多数の議席を握っているわけです。例えば、小選挙区民主党が全勝した愛知県でも、県議会では自由民主党愛知県議員団の57名に対し民主党愛知県議員団は36名しかいないのです。この先、順次、地方議会も改選されていくわけですが、7月の都議選の如く民主党が多数党になるのか、あるいは自民党が自力を発揮して議席を守るのでしょうか?後者ならば、中央と地方議会のねじれがどういう結果をもたらすのかが気になります。民主党政権が、民主党多数議会を持つ県を有利に自民党多数議会を持つ県を不利に扱うようなことは有り得ない話ではないでしょうし。

民主党の圧勝(自民党の大敗)について「風」だとかなんだとか評論する人がいますが、市町村合併によって地方議員の数が大幅に減ったことで自民党の選挙を支えてきた地方のセンセイ方が減り、自民党の底辺がもろくなっていたことも背景にある気がします。

なので、地方政治にとっても、国会議員選挙の実働部隊としての地方議員の重要性を考えると国政にとっても、地方議員選挙は注目したいポイントです。

そんなことを思っていたところ、早速滋賀県議会で自民党議員の民主党への擦り寄りがあったようです。

離脱自民系新会派は民主系との協調方針 衆院選惨敗で滋賀県議会
9月7日 産経新聞
 滋賀県議会(定数47)最大会派の自民党系の「自民党・湖翔クラブ」(19人)から若手県議ら11人が離脱して新会派を結成する問題で、別の自民党系会派2人を含めて新会派結成後、民主系会派との連携・協調路線を取る方針であることが7日、わかった。

 県議の1人は「民主党との対決姿勢を鮮明にしてきたことが衆院選での敗因の一つと分析」と述べ、国政の民主党新政権や、会派として対立する立場にあった嘉田由紀子知事にすりよる形になる。

 関係者によると、新会派は、嘉田知事に近い別の自民党系会派「湖政会」の2人も合流し、計13人になる見通し。7日午後にも会派届を議長に提出する。新会派はその後、民主党系の県会第2会派の民主党・県民ネットワーク(16人)と連携する方針。

 新会派に参加する石田祐介県議は「なんでも反民主では、県民に受け入れられない。民主と連立を組むというわけではないが、県民にとって、いいと思える施策なら協調していくべきと判断した」と話している。

 湖翔クラブは、平成18年に当選した嘉田知事に対し、大戸川ダム(大津市)計画など大型公共事業の見直し方針に対抗する立場を取ってきた。

あくまで会派の変動ですから自民党所属であることは変わらないわけですが、地方議会の自民党のフットワークの良さに驚きました。


追記(9月9日)
地方議会野党多数派の自民党の反応を上の記事で触れましたが、地方議会野党少数派の民主党にも動きはあるわけで。

中日新聞2009年9月8日
民主愛知、12日に知事と意見交換 県議会「ねじれ」受け初


 民主党政権の発足に向け、同党愛知県連が神田真秋知事ら県幹部との初の意見交換会名古屋市内で12日夕に開く。政権与党となる民主は愛知県議会では野党のままという「ねじれ」を抱えるため、県政での発言力を拡大したい民主側が開催を呼び掛けた。

 出席するのは民主側が伴野豊代表、杉岡和明幹事長ら5人程度、県側は知事と3人の副知事ら幹部計6人。県連が党の衆院選マニフェストを説明するとともに、新政権と地方との関係をはじめ、今後の県政運営などについて、県側の意見や要望を聞くという。

 民主党は今回の衆院選で県内15の全小選挙区で勝利したが、神田知事が3選を果たした2007年知事選で他候補を推薦して敗れて以降、県議会では野党のまま。このため、民主県連は地元代表として中央とのパイプ役をPRし、存在感を示したい考え。

 一方、県側も民主政権による政策の不透明さを懸念しており、県幹部は「国の予算編成での変化は県民生活に直結するだけに、民主党にはいろいろ聞いてみたい」と話している。

愛知県では2007年2月に行なわれた知事選挙で自公推薦の神田真秋が、民主党推薦の石田芳弘*1に勝ったわけで、愛知県政では自公が民意の支持を得ているのです。だから、神田自公愛知県政に民主党が国政での力を使って影響力を増そうとするのは、地方の意思を尊重する地方分権改革を掲げる民主党の主張と矛盾するのではないでしょうか。



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*1:今回の総選挙で民主党衆議院議員になった。風貌が小泉総理に似ている。