伊勢市長辞任 出直し市長選へ

 「民意を問いたい」。凍結状態にある中部国際空港伊勢市を結ぶ海上航路整備事業をめぐり、9日開会の市議会定例会で辞意を表明した森下隆生市長(59)。その後の会見で、同事業は「地域の観光施策には欠かせないインフラ」と推進に意欲を示し、市民に理解を得るため、出直し市長選に臨む考えを明らかにした。

 会見で、森下市長は海上航路整備事業について「課題を抱えながら進めてきたが、(海上航路施設の)浮桟橋の先の見通しが(安全性の面で)悪くなっている」と認めた上で、「一度、市民の皆さんの気持ちを確認させていただく必要があると判断した」とし、民意を問う決断をしたとした。

 森下市長は1期目で、任期は来年4月まである。出直し市長選で当選しても、その任期は残任期間の来年4月までだこの時期の辞職を決断したことについて、不信任決議が提出される動きもあり「9月定例会を乗り切るために」との考えがあったという。

 事業賛成派の市議会会派「新風いせ」の西山則夫幹事長は「やむを得ない。会派としては市にとって良いのか悪いのかという意味で事業に賛成してきた。今でも成功させたい」。

 事業反対の姿勢を示してきた高志会の中山裕司幹事長は「不信任決議が提出されれば、再出馬に向けてダメージが大きいと考えたのでは。市のリーダーとして情けない」と切り捨てた。


中日新聞2009年9月10日

出直し市長選で前職が通っても任期は前の残任期間までなんて知らなかった。条文を調べてみると

地方公共団体の長の任期の起算)第259条 地方公共団体の長の任期は、選挙の日から起算する。但し、任期満了に因る選挙が地方公共団体の長の任期満了の日前に行われた場合において、前任の長が任期満了の日まで在任したときは前任者の任期満了の日の翌日から、選挙の期日後に前任の長が欠けたときはその欠けた日の翌日から、それぞれ起算する。
地方公共団体の長の任期の起算の特例)第259条の2 地方公共団体の長の職の退職を申し出た者が当該退職の申立てがあつたことにより告示された地方公共団体の長の選挙において当選人となつたときは、その者の任期については、当該退職の申立て及び当該退職の申立てがあつたことにより告示された選挙がなかつたものとみなして前条の規定を適用する。

とある。

前職以外が当選すればちゃんと4年の任期であるようだが、この前職に対する特例の目的は何なのだろうか? 
前職は前の残任期間で、他の者は4年間という任期条件の違う候補者を同列に扱って有権者が選ぶというの酷な話。無用な混乱を招きかねない。
選挙という民主制に不可欠な制度において、候補者を差別するのは、「法の下の平等」とかにひかからないのか?